筋萎縮性側索硬化症(ALS)とは?(1)
- HIRO Yokohama
- 2024年9月6日
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筋萎縮性側索硬化症の定義
筋萎縮性側索硬化症(ALS)は、運動ニューロンと呼ばれる脳と脊髄の神経細胞が徐々に死滅していく進行性の神経疾患です。運動ニューロンは、脳からの信号を筋肉に伝達し、筋肉の動きを制御する役割を担っています。ALSでは、運動ニューロンの死滅により、筋肉の萎縮、筋力低下、麻痺などの症状が現れます。最終的には、呼吸筋の麻痺により呼吸困難となり、死亡に至ることがあります。
ALSの歴史
ALSは、1869年にフランスの医師であるジャン・マルタン・シャルコーによって初めて記述されました。シャルコーは、ALSの症状を詳細に観察し、この病気の病理学的特徴を明らかにしました。その後、ALSは世界中で研究され、その原因や治療法について多くのことが明らかになってきました。しかし、現在でもALSの根本的な原因は解明されておらず、有効な治療法は限られています。
ALSの特徴
ALSは、以下の特徴を持つ病気です。
進行性の神経疾患である。
運動ニューロンが選択的に死滅する。
筋肉の萎縮、筋力低下、麻痺などの症状が現れる。
呼吸筋の麻痺により呼吸困難となる。
認知機能や感覚機能には影響しない。
遺伝性と環境的要因が関与している。
有効な治療法は限られている。
ALSの原因について
遺伝的要因
ALSの約5~10%は、遺伝子の変異によって引き起こされます。ALSの原因となる遺伝子は、SOD1、C9orf72、FUS、TARDBPなど、数十種類が知られています。これらの遺伝子の変異は、運動ニューロンの死滅を引き起こすことが知られています。遺伝性ALSは、家族歴のある人々に多く見られます。
環境的要因
ALSの原因となる環境的要因は、まだ完全に解明されていません。しかし、いくつかの要因がALSのリスクを高める可能性があるとされています。
農薬や重金属などの化学物質への暴露
喫煙
運動不足
肥満
頭部外傷
軍事サービス
特定の職業
これらの要因がどのようにALSを引き起こすのか、さらなる研究が必要です。
免疫系の影響
近年、ALSの発症に免疫系の異常が関与している可能性が注目されています。ALS患者では、免疫細胞の異常や、免疫反応の異常が認められることがあります。これらの異常が、運動ニューロンの死滅に寄与していると考えられています。免疫系の異常がALSの発症にどのように関与しているのか、さらなる研究が必要です。
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